夫婦も50代になると、日々の会話に盛り上がりがかけます。
というか大して会話もしなくなります。
ダンナに話しかけてもあまり反応しないし……
聞いてんだか聞いてないんだか……..
夫婦生活も長くなればそんなものよね。
と呆らめているかたも多いのでは?
でもダンナさんが会話に消極的なのはもしかすると加齢性の難聴が始まっているのかも。
夫婦のコミュニケーション不足に難聴が原因しているかもしれません。
実際に50代で加齢性の難聴が始まってしまった我が家の様子と共にお伝えします。
50代の難聴は夫婦円満に悪影響
難聴は病気が原因でなければ、誰にでも訪れる加齢の症状です。
加齢性難聴と言います。
早ければ50代から始まります。50代で夫婦どちらかに難聴が始まると2人の関係にも大きな影響があります。
難聴をきっかけにコミュニケーションが大きく減る可能性があるからです。
難聴の悪影響
難聴は当人にとってもですが、周りの人にも悪影響を及ぼします。
何度も聞き返すようになる
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人に対してイライラする(大きい声で話して欲しい)
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聞き返すのが面倒になる
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コミュニケーション減少による孤立や孤独
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うつ病や認知症のきっかけになることも
職場だと何度も聞き返すことが許されないことで、重大なミスにつながる恐れもありますよね。
家族や友人の場合なら聞き返すこともしやすいですが、聞こえないことの原因を相手のせいにしがちです。
もっと大きな声でしゃべってくれないかな
私は普通に話しているだけなんだけど
そのような状態が繰り返されると、やがて当人は聞き返すのが面倒になります。相手は話しかけることが減っていくでしょう。
社会的にも人の輪に入っていくことを躊躇し出して、コミュニケーションを避けるようになり、行動が消極的になりがちです。
人とのコミュニケーションの不足は孤立感や孤独感を高めます。
それがきっかけでうつ病を発症したり、高齢者になると認知症の原因になるとも言われています。
コミュニケーション不足がさらに増える
50代夫婦で不足しがちなコミュニケーション不足。
もともと口数の少ないパートナーがさらに口数が減ってしまった。それはお互いの「慣れ」や「無配慮」ではなく、難聴が原因かもしれません。
最近ますます会話が減っちゃったなぁ
聞こえないから話すの面倒なんだよなぁ
旦那は相手してくれないし、話し相手は外に求めよう
自分の好きなことだけやってればいいや
もともと不足気味だったコミュニケーションを難聴が拍車をかけます。
こうなる前にもしかしてパートナーの難聴が原因では?と考えてみませんか。
我が家のパターン
実は筆者は子供時代から難聴の自覚があります
とはいえ、日常生活で困るほどの症状ではなく、友達と比べると聞こえにくいという程度。
なので、50代を超えたあたりで少し難聴が進んだかも?とは思いつつ特に対策など考えもしませんでした。
ただ、子供たちが独立して夫婦2人になったときに、妻から提案がありました。
補聴器を使うことを考えてくれない?
え?でもそこまで困ってないよ
多くの初期の難聴者の典型的なリアクションだと思います。
難聴の自覚があるなしにかかわらず、難聴者はまだ大丈夫と考えます。
難聴の当事者は自分の難聴を認めたがらない傾向があります
難聴の当事者は聞こえないものは聞こえないでやり過ごしてしまうようになります。それほど困った事態とは考えません。
ところが、話しかける側には大問題です。
話が聞こえてるのか聞こえてないのか判断できないのよね
いや、聞こえてない時は聞き返してるし
実はこれは半分くらいです。
難聴者は
- 聞こえたふりをする
- 聞き取ることを諦める
ということをよくします。
人は話す時に相手によって話すボリュームを変えることはありません。高齢者相手でなければ誰に話しかけるにも同じ声量で話しかけるでしょう。
なので、こちらがもう少し大きな声で話してくれれば、と思ってもそうしてくれません。たとえパートナーが難聴かもしれないと思っていてもです。
いちいち聞こえた?と確認するのも声を張るのも疲れるのよね
自分が妻の言動にリアクションをしっかりしないのも一因ではあります。
特に50代の夫婦で、長年「言わなくてもわかってるでしょ」という生活をしているとありがちです。
子供の独立などで夫婦2人に戻った時には、それまで以上にコミュニケーションを大切にしなければなりませんよね。
そうしないと2人の気持ちは離れてしまうばかり。
子供たちが独立した後も30年以上を共に暮らすであろう夫とのこれからに、妻は危機感を抱いていました。
とりあえず家の中だけでいいから
そうか、こちらの想像以上にストレスなのかもしれない
難聴への対処として補聴器使用を検討しました。
そもそも聴力って?
そもそも聴力の基準とはなんでしょう?
聴力とは
聴力は
聴こえる周波数(横軸:Hz ヘルツ)
音の大きさ(縦軸:dbデシベル)
の二つで判断します。
年齢と共に高い音と小さな音が聞こえなくなりますが、その聞こえ方は人によって違います。
難聴の程度は聴力レベルによって4段階に区分されます。
軽度難聴
中等度難聴
高度難聴
重度難聴
平均聴力が40dbを超える当たりが補聴器推奨のラインとされています。
補聴器はその人の聞こえの状態に合わせて、聞こえない周波数を細かく調整する「フィッティング」が必要です。医療機器であり、医薬品医療機器等法で定められています。
聴力検査を受けよう
まずは医療機関で聴力検査を受け、あなたの聞こえ度を調べて、補聴器が必要かどうかの判断を受けましょう。日本耳鼻咽喉学会は補聴器相談医として補聴器の相談に乗ってくれる耳鼻咽喉科医を認定しています。
また、補聴器販売店でも医療機関と同程度の検査が受けられます。
聴力の検査は
- 純音聴力検査・・・・聴こえる音の大きさの測定
- 語音聴力検査・・・・音の聞き取り能力の測定
の二つの検査をします。
検査のおすすめは補聴器販売店です
- 無料である
- 認定補聴器技能者によって丁寧に検査をしてくれる
- 耳鼻科医すべてが補聴器相談医ではない
筆者は耳鼻科医と2カ所の補聴器販売店で検査を受けました。
最も簡易だったのは耳鼻科医。補聴器への言及もありませんでした。しかも語音聴力検査はなく、純音聴力だけしか測定されませんでした。
検査や補聴器指導については病院によってかなり違いがあるようです。
その点補聴器販売店では検査も細かく、こちらの状況も真摯に聞いてくれます。
視力に比べて自分の聴力を把握してるひとは少ないですよね?
60代70代に進めば必ずやってくる聴力の低下。50代のうちに今の自分の聞こえ具合を確認しておくのはいいことかもしれません。
日常的に眼鏡屋さんを利用する方は、ついでに検査を受けてみてはどうでしょう?30分程度です
補聴器使用で夫婦のコミュニケーションは良好です
検査の結果、筆者は軽度〜中等度の難聴でした。
耳鼻科では補聴器を薦められることはありませんでした。
補聴器販売店では1店では薦められ、もう1店では補聴器が必要なレベルではないとのアドバイスを受けました。
補聴器を使い始めました
加齢による難聴は高い音から聞こえなくなります。
人の声は250Hz〜1000Hzほど。女性の声が1000Hz程度。難聴の始まりに女性の声が聞き取りにくくなるのは、高い音から聴きづらくなるためです。
また、難聴が始まるとTVの音が聞きにくくなります。これはTVの音が生の音声ではなくデジタル変換された音であり、実際の音より周波数が高いことが理由です。
8000Hz〜4000Hzの音が聞きづらくなっても実生活であまり不自由を感じないのは、人の声はずっと低い周波数であるからです。
医学的にはまだ大丈夫だという判断のようでしたが、補聴器を使い始めました
なぜならやはり苦労をしているから。
- ボソボソ喋る人
- 病院や建物内での呼び出しやアナウンス(ほとんど女性)
- 電車内のアナウンス
- 女性の声
- 騒がしい場所での大勢での会話(飲み会とか)
- 家電の電子音(体温計、レンジ、お風呂など)
- 背後からの話しかけ
筆者は大勢で会議をするような仕事ではないのですが、日常的に会議がある仕事だったらもっと切実なのではないかと思います。
補聴器はすごい!
補聴器販売店では体験はもちろん、お試しレンタルができることもあります。
今の補聴器はデジタル技術により使用する人に合わせた細かなセッティングができるので、その人の聴きづらい周波数だけを大きく、また当人がうるさく感じる音を聞きづらく調整します。
世の中はこんなにいろいろな音がしていたのか!
というのが補聴器をつけた時のはじめの感想です。
正直とても感動的な体験でした
補聴器への抵抗感
補聴器の機能に関しては納得がいくものではありますが、それでも使用には抵抗感があります。
やはり、年寄りのものというイメージは大きい。
しかし、今の補聴器は小型化で目立ちません。オーダーメイドで耳の形に合わせ、イヤーモニターにしか見えないものもあります。
ただ、調べたことのある方はご存知かもしれませんが価格が高い。
販売店で聞くと
- 両耳で30万円
- 寿命5年
補聴器の一般的な相場です。
え?そんなに……..
当初提案した本人もさすがにビビる。
それでも補聴器をつかおうと決心したのはある販売員さんとの会話です。
音の大小は補聴器を使えば簡単に補正できるが、ただ音の聞き取り(語音聴力)は常に訓練していないとどんどん衰えていく。
小さな音が聞こえないのなら音を大きくすれば良いだけ。
でも、「佐藤・加藤」や「さかな・たかな」の聞き分け能力は脳がきちんと判断するために、聞き分けできるレベルを保つ必要がある。
要は純音聴力は補聴器での補正はたやすいが、語音聴力は悪くなってからでは補聴器でも補正ができない、ということです。
付け加えておくとその販売員さんはセールストークでこう言っていたわけではありません。
実際に補聴器はすすめられませんでした
それでも補聴器の利用に踏み切ったのは前述の通りです。
ただ、使用するシチュエーションは限定的です。
- 家庭内
- 友人たちとの外での飲み会
正直な感想は「かなり快適」です。
それまではどうしても夫婦での会話、家族が揃った時の会話は消極的でした。人数が多い飲み会の席なども席の離れた人の声は聞きづらくて苦手でした。
やはり他人はあなたががどれくらい聞こえていないかはわからない。聞こえている前提で話をするので誤解を受けてしまうこともある。
そんな失敗を防ぐ意味でも50代でも積極的に補聴器の利用は考えるべきなのではないでしょうか。
また、補聴器がメガネのように一般的なカジュアルなものになるといいなとも思っています。
現在補聴器の利用で夫婦関係は良好を保っています。
と、私は思っているのですが
会話でのストレスは激減したわね
もし、いまあなたやあなたのパートナーが難聴を感じているのなら、販売機店で補聴器体験をオススメします。
あなたが思っている以上に難聴が進んでいるかもしれません。
補聴器には30万円もしないものもあります。
特にまだ50代で軽度の難聴ならそれほど高機能の補聴器を使う必要はないのかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
補聴器がもっと身近なものになり、50代でも引け目を感じずに利用できる世の中になってほしいなぁ。
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