50代の軽度難聴に補聴器は早すぎる?実体験から考えました。

生活・ライフ

あなたは補聴器にどんなイメージを持っていますか?

高齢者のもの?

多くの人の認識はそうですよね?

実は聴力の衰えは20代を過ぎてから少しずつ始まっています。

ただ衰え方がゆっくりなので、実感するのは60代を過ぎてからがほとんど。

しかし50代で軽度もしくは中等度の難聴に相当してしまう人もいます。

視力と違い聴力は聞き返せば済んでしまう場合も多くそれほど深刻にとらえません。

でも不自由な場面が増えてきたなら50代といえども補聴器の利用を考えてもいいのでは?

実は筆者は50を越えてから難聴が進んで悩んでいました。

50代で補聴器なんて早過ぎじゃないかなぁ…….

そこで私の実体験をもとに記事にしました。

同じように50代で聞こえに不安を感じている方へのヒントや後押しになれば幸いです。

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困っているのなら積極的に使うべき

あなたがまだ50代にもかかわらず、シチュエーションによって聞きづらさを覚える時があるのなら、補聴器は積極的に使うべきです!

筆者(50代後半)は限定的ではありますが、補聴器の使用を始めました。

補聴器は医療機器です。

難聴には多くの原因がありますが、代表的な加齢による難聴(老人性難聴)では内耳の感覚細胞が壊れて神経も減少するなど、難聴は体の病気です。
補聴器は病気である難聴によるコミュニケーション障害を補うためのリハビリテーション用の機器で、体に着けるものですから、当然のこととして医療機器です。

出典:日本聴学医学会「補聴器に関する一般向けQ&A」より
オクチャン
オクチャン

加齢性の難聴も病気のひとつであり、治療、補正すべきものです

(とはいえ重度の難聴以外は補聴器に保険の適用はありません。)

聴力の減少は誰にでも訪れます

加齢性の難聴は60代後半から自覚する人が多くなり、70代で約5割、80代になると7割〜8割の人が患います。

しかし、加齢性の難聴には治療法がありません!

加齢性難聴の原因は、内耳にある音を聞き取るための“有毛細胞”の減少によるものです。この有毛細胞は年齢と共に減少し、再生しません。

程度の差こそあれ、年を取ると耳が遠くなるのはこのためであり、治療方法がないので対処するには聞こえの能力を補うしかないのです。

シーチャン
シーチャン

でも早くから補聴器を使うと、さらに難聴を進行させちゃうんじゃないの?

そのような不安を持つ方もいるかもしれませんが、補聴器の使用が難聴を加速させることはありません。

難聴を加速させる要因
  • 過度の大きな音で音楽などを聴く
  • 喫煙や運動不足などの不健康な生活習慣
  • 騒音などの生活環境

補聴器を使うことによって難聴を進行させることはなく、逆に難聴の進行を緩やかにすることができます。

なぜなら、補聴器は聞こえを補う「リハビリテーション用の医療機器」だからです。

補聴器を使うことは、聴こえる状態を保つためのリハビリです。

軽度難聴者の補聴器所有率

日本補聴器工業会が主体となった調査では日本の補聴器所有率が公表されています。

画像出典:© Anovum 2022 – JapanTrak 2022

もともと日本の補聴器の利用は国際的にも低いほうなのですが、軽度難聴者で11%、中等度難聴者で18%の所有率です。

補聴器の利用は65歳以上が高くなることから50代ではこれより低くなることが予想されます。

50代の軽度難聴者が補聴器を使うべき一番の理由

難聴の自覚があっても補聴器を使用しない理由は人によりさまざまです。

オクチャン
オクチャン

でも条件さえ合えば使うことにデメリットはないんじゃないかなぁ

筆者に補聴器の利用を決断させた一番の提言はこちら⬇️

  • 難聴で一番問題なのは音の大小の聞き取りではなく、ことばの聞き取り能力の低下。音の大小は先々いくらでも補聴器で補えるが、言葉の聞き取り能力の衰えは補聴器では補えない。

説明します。

聴力を測るための検査は主に2種類あります。

  • 純音聴力検査
  • 語音聴力検査

「純音聴力検査」は7種類の周波数に分けた音の聞き取り能力の検査。聞きとれる音の大小を測ります。

「語音聴力検査」は音を聞き分ける力を測ります。「さ」と「か」の聞き分け、「し」と「ち」の聞き分けなどです。聴力が衰えると「佐藤と加藤」「子宮と地球」など子音をはじめとした言葉の聞き分けができなくなってきます。

オクチャン
オクチャン

筆者は検査で「う」を「ん」と答えていました

この言葉を聞き分ける語音聴力は一定のレベルを保ち続けていないとどんどん衰えていきます。あるレベルより衰えてしまうといくら補聴器で音量を上げても聞き分けができなくなるそうです。

語音聴力の衰えは例えると、触れたことのないきつい方言で話しかけられる感覚でしょうか。音として認識はできるけれど意味がわからない。

聞こえないわけではなく、何か話してるのはわかるけれど頭の中では意味としてとらえられない。そういった感覚です。

語音聴力を衰えさせないためには、耳でとらえた音を聞き分ける力を保つ訓練が必要です。

そのためには聴力がそれほど衰えていない状態での補聴器の使用が有効なのです。

補聴器の使用前に聴力検査を

なんとなく聞こえが悪くなったと感じたら、とりあえず自分の聴力を確認するために聴力検査を受けましょう。

年齢による聴力平均値グラフ
画像出典:国立病院機構東京医療センターx慶應大学

聴力は音の大小(縦軸:dBHLデシベル)と音の高低(横軸:Hzヘルツ)で表されます。

40デシベルまでが軽度難聴、70デシベルまでが中等度難聴、それを超えると高度難聴です。

補聴器の推奨は、聴力が平均で40デシベルを超えたところが一般的です。

シーチャン
シーチャン

聴力検査は耳鼻科で受けるの?

聴力検査は「耳鼻科」「補聴器販売店」「メガネ販売店」で受けられます。

聴力検査を体験して

筆者は上記3カ所全てで聴力検査を受けてみました。

オクチャン
オクチャン

無料だし、補聴器の情報も得られるので販売店がおすすめです

検査の結果は軽度〜中等度の難聴でした。耳鼻科では特に補聴器は勧められませんでしたが、補聴器に関するスタンスは医者によって違いがあるようです。

医学的な根拠や裏付けを希望する場合には「補聴器相談医」の認定を受けた耳鼻科で受診されると良いと思います。

「補聴器相談医」とは日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会から認定され、決められた講習と実習を受講し、難聴者が適正な補聴器を利用できるように活動している医師

一方、補聴器販売店では認定補聴器技能者の資格を持った販売員がいます。販売員さんも相談にのってくれます。

ただ、販売員さんにも人により差があります。

筆者は補聴器専門店1店と大手メガネ店2店を訪れましたが、聴力検査のあと補聴器の説明もなく無料お試しの契約をすすめる販売店では辟易とした経験があります。

もちろん真摯に相談に乗ってくれる方もいました。

補聴器を検討している理由や、使用するであろう環境、使用するべきかどうかなど、販売ありきではない姿勢を感じて好感がもてました。

オクチャン
オクチャン

それでも結局、補聴器の使用は自己判断しかないんですけどね

シーチャン
シーチャン

老眼鏡に比べて補聴器はハードルが高いよね

筆者はある補聴器の利用を決断しました。

補聴器使用の決断理由
  • 老後に向けて難聴の進行への予防
  • 補聴器お試しで感じた感激
  • 価格的に妥当な補聴器をみつけた

補聴器の種類

補聴器とは、厚生労働省から医薬品医療機器法のクラスⅡに認定された「管理医療機器」です。

また、補聴器は使用者の聞こえの状態に合わせて、聞こえる音域などを細かく調整する「フィッティング」をした上で販売し、販売後も使用者に最も合う状態に何度も調整することが基本です。

補聴器の価格差が大きいのはなぜ?

対面でフィッティングを行いながらの販売が基本ですが、ネットで検索してみるとネットで買うことのできる「補聴器」もたくさん出てきます。

シーチャン
シーチャン

価格が1万円前後から10万円ほどと幅が大きいのはなぜ?

認定された補聴器がネットでも販売されています。ただ注意点として、一万円前後のものは間違いなく補聴器ではなく「集音器」です。

「集音器」とは・・・・・集めた音をすべて増幅して大きく聞こえるようにしたもの

つまりはイヤホンやヘッドフォンで大音量で音楽などを聴くようなもので、かえって難聴を進行しかねません。見た目は補聴器と全く同じなので注意が必要です。

また3万円以上のものは音域を分けた調節が可能で「補聴器」として取り扱われるものの、フィッティングなど細かな調整に対応はしていません。

価格差はそのまま機能・性能の差です。

もう一方販売店の補聴器も価格差が大きいです。

シグニア補聴器カタログ①
画像出典:シグニア補聴器カタログ
シグニア補聴器カタログ②
画像出典:シグニア補聴器カタログ

価格は20万円〜100万円ほどと通販のものよりさらに価格差があります。この差も機能の幅によります。調整できるチャンネル(音質)が16チャンネルから48チャンネルと大きく差があります。機器そのものの差もありますが、これを調整するための人件費でもあるのでしょう。

販売店の補聴器は高性能

現在、補聴器はデジタル技術の向上によりひと昔前と比べてとても性能が上がりました。

前述していますが、高級な機種は48チャンネルです。チャンネルとは音質を48パターンに分割して調整しているということ。これをひとりひとりの聞こえに合わせて調整しています。

とてつもない技術なのが想像できますし、高価格になることもわかります。

販売店では聴力検査をして、その人の聴力に合わせ「フィッティング」した補聴器をお試しで貸し出してくれます。

筆者は2週間のお試しレンタルをしてみました。

オクチャン
オクチャン

使用感は感動的でした

とても自然な感じにによく聞こえます。耳が塞がれるので自分の声がこもってしまう違和感はありますが、人の声やTVの音、背後の物音など、それまで聞こえなかった音が耳に入ってきます。

一方雑音などうるさく聞こえる音は大きくならないように調整もしてくれるので快適です。

金額相当の高性能であることは間違い無いです。

50代だと老眼鏡を使い始めている人も多いかと思います。老眼鏡で文字がくっきり見えるのと同じ感動が得られます。

ただデメリットも感じます。

販売店の補聴器のデメリット
  • 聞こえ具合を調整してもらうために何度も販売店を訪れる必要がある
  • やはり価格が高い
  • 寿命が5年?

補聴器はつけ始めから慣れるにしたがい、初めの設定からの微調整が必要になってきます。もう少し聞こえてほしい音をあげたり、うるさく感じるような音を抑えるための調整に、たびたび販売店へ出向かなければなりません。

フィッティングにかかる手間が価格にも反映されているのでしょうが、やはりその値段はネックです。

また、補聴器の寿命は5年といわれます。低価格のものでも20万円ほどはするのでこれを納得できるかが補聴器使用の初めの壁ですね。

ただ、丁寧に管理と清掃をしていれば10年くらいは大丈夫なこともあるとも言われました。

しかし、スマホや家電でも感じますがそれほど高機能が必要なのでしょうか?

通販の補聴器はダメなのか?

一方、通販で買える補聴器は3万円台から10万円ほどの価格帯です。

オクチャン
オクチャン

50代なら通販の補聴器で充分だと感じました

理由は2つ。

通販の補聴器にした理由
  • 自分で調整ができるものがある
  • 一日中補聴器を必要としているわけでは無い

10万円近いものになると、オンラインではありますが「フィッティング」機能があります。

販売店で認定補聴器技能者が行う「フィッティング」をスマホと補聴器をアプリで連動させて調整し、使用します。フィッティングはオンラインで完結します。

純音聴力だけですが、聴力検査もオンラインでしてくれます。

また、音量や音質の微調整も自分でアプリからできるので手軽です。

通販の補聴器も少額でのお試しができたり、月額でサブスクとしてレンタルできるものがあります。

筆者はこちらも2種類お試しをしました。

使用してみて感じた通販の補聴器のメリットデメリットはこちら⬇️

通販の補聴器のメリット
  • 価格が安い
  • 販売店に出向く手間がない
  • 自分で調整ができる
  • ワイヤレスイヤホンにしか見えない洗練されたデザインのものがある
通販の補聴器のデメリット
  • 販売店の補聴器のような細かな設定まではできない
  • アドバイスが受けにくい(オンラインでの窓口はあります)
  • スマホに不慣れだと扱えない
  • お試しができない機種もある
オクチャン
オクチャン

筆者は通販の補聴器の購入を決めました

自分である程度の調整ができるのが魅力でした。

50代ならスマホやアプリの扱いはお手のものかと思われます。

販売店の高価格帯の機種には及びませんが、手始めの補聴器としては充分なのではないかと思います。

決して安かろう悪かろうではありません。

販売店での補聴器の価格には人件費の上乗せがかなりあるのではと感じるのも一因です。

心配ならば耳鼻科〜補聴器販売店で

それでも自己判断での補聴器の使用は心配だ、と感じるならば耳鼻科や販売店と連携しての補聴器選びをおすすめします。

やはり、補聴器は医療機器でありスマホや家電と同じような判断は危険かもしれません。

ただ、自分としては何度か聴力検査も受けて自分の聞こえ具合もある程度判断ができたので、通販での購入に決めました。

もちろん価格も大きな決め手にはなりました。

50代でまだそれほど不自由のない軽度の難聴ならばこういう手もあるのかな、と参考にしていただければ幸いです。

オクチャン
オクチャン

ひとつ言えることは、思い切って使い始めれば確実に生活の質は改善する、ということ

最後までお読みいただき感謝いたします。

よりよき50代ライフを。

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