Audibleで聴き放題の芥川賞・直木賞作品(2000年代)

趣味・本・映画

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

電子書籍は利用されているでしょうか?

  • 持ち運びが楽
  • 照明がないところでも読める
  • 家に本がたまらない
  • 自分の部屋が本屋さん

など、こんなに手軽なサービスはないですよね。

でも、読み放題のサブスクサービスにしてみたけど読みたい本が対象になってない…..

特に小説は物足りなさを感じてしまう…….

そんな方って多いのでは?

実はAmazonKindle では読み放題対象ではないけれど、同じAmazonのオーディオブックサービス『Audible』だと聴き放題になっている小説が結構あるのをご存知でしょうか?

小説をたくさん読みたいけど全部購入するのはお財布に厳しいし、図書館に通う時間もない。そんな方にはとてもお得なのが『Audible』です。

そこでこの記事では『Audible』聴き放題サービスの対象となっている2000年代の芥川賞・直木賞の小説をピックアップしてご紹介します!

ネタばれはありません。目次から紹介の本に直接飛べます。

スポンサーリンク

Audibleとは?

『Audible』とは書籍を朗読するオーディオブックを配信するサービスです。

Amazonが提供しており、同じAmazonのKindle Unlimitedにはコンテンツ数ではかなわないものの12万冊の本が月額¥1,500で「聴き放題」のサブスクサービスです。

AudibleではKindle同様に単品で書籍を購入して利用することもできますが、一冊¥3,000を超えるものが多く、あまりおすすめではありません。

一方、KindleUnlimitedは月額¥980で読み放題のサブスクサービスです。

KindleUnlimitedは書籍以外にも雑誌、漫画なども読み放題対象なのでこちらもとてもお得なサービスです。

ただ、小説に関しては単品購入できる電子書籍の数はとても多いものの、読み放題の対象アイテムは少し物足りなく感じます。

小説ならAudibleがおすすめです

オクチャン
オクチャン

そこで、おすすめするのがAudibleなのです

実はAudibleにはKindleUnlimitedでは読み放題対象ではない小説が数多く聴き放題対象になっているのです。

シーチャン
シーチャン

でも本の朗読ってどうなの?

オクチャン
オクチャン

確かに初めは懐疑的だったけど、利用してみたら自分にはとても合っていたんだよね

『Audible』は本好きの人全てが楽しめるサービスではないかもしれませんが、合う人にとってはこれ以上ないお得なサービスでもあるのです。

未体験の方はいちどお試しの無料トライアルをおすすめします。

今回ご紹介する芥川賞・直木賞の小説で、AudibleとKindleUnlimitedのどちらでも、読み(聴き)放題の対象になっているのは、東山彰良著「流」と朝井まかて著「恋歌」の二冊しかありません。

またKindleUnlimitedだけ読み放題対象になっている芥川賞・直木賞小説は現在ありません。

なお聴き放題タイトルは順次入れ替えがあります。記事をご覧になった時点で聴き放題の対象から外れている場合はご容赦ください。

Audibleで聴ける芥川賞・直木賞作品一覧(2000年〜2023年)

年代半期直木賞芥川賞
2023八月の御所グラウンド
万丈目学
2023極楽征夷大将軍
垣根涼介
ハンチバック
市川沙央
木挽町のあだ討ち
永井沙耶子
2022この世の喜びよ
井戸川射子
2022夜に星を放つ
窪美澄
おいしいごはんが
たべられますように

高瀬隼子
2021黒牢城
米澤穂信
ブラックボックス
砂川文次
2021テスカトリポカ
佐藤究
貝に続く場所にて
石沢麻依
彼岸花が咲く島
李琴峰
2020心淋し川
西條奈加
推し、燃ゆ
宇佐見りん
2020少年と犬
馳星周
破局
遠野遥
2019熱源
川越宗一
2019むらさきのスカートの女
今村夏子
2018宝島
真藤順丈
2016コンビニ人間
村田沙耶香
2015
東山彰良
スクラップアンドビルド
羽田圭介
火花
又吉直樹
2014サラバ!
西加奈子
2014破門
黒川博行
2013恋歌
朝井まかて
2012何者
朝井リョウ
2012鍵のない夢を見る
辻村深月
2011蜩ノ記
葉室麟
道化師の蝶
円城塔
2011下町ロケット
池井戸潤
2009ほかならぬ人へ
白石一文
2008悼む人
天童荒太
2007乳と卵
川上末映子
2007吉原手引草
松井今朝子
2004対岸の彼女
角田光代
グランドフィナーレ
阿部和重
2002生きる
乙川優三郎
パークライフ
吉田修一

八月の御所グラウンド


八月の御所グラウンド (文春e-book)

第170回直木賞

これは京都の学生を描いた鴨川ホルモーの世界観を彷彿とさせつつ、さらに深く心にしみる作品でした。素晴らしいです。

引用元:Amazonレビュー「さすが万城目ワールド」

極楽征夷大将軍


極楽征夷大将軍 (文春e-book)

第169回直木賞

室町幕府の成立など薄ぼんやりとしか記憶してませんでしたが、ナレーションの良さもあり登場人物が生き生きと浮かんできて面白かったです。
後半の身内同士の戦いは切なかった……

引用元:Audibleレビュー「ほとんど知らなかったこの時代が生き生きと」U-shi4

木挽町のあだ討ち

第169回直木賞

6人もナレーションを揃える必要があるのかといぶかしく思っていたが、6人いるからこその味わいが存分に楽しめた。朗読で聴くということの妙を、遺憾なく発揮した作品と思う。ナレーターが全員、納得のナレーションで、この企画を考え、ナレーターを選別した人達の仕事が素晴らしいと思った。最後の最後にほっとできる、暖かい温情のサスペンスだった。

引用元:Audibleレビュー「ナレーションがとても良かった」Mico

ハンチバック


ハンチバック (文春e-book)

第169回芥川賞

作者の属性や環境込みで過剰に評価されている気がする。
マジョリティな属性を持つ人間が同じ物語を書いていたら、この物語は評価されていただろうか。

作者は当事者であり賞も獲っているので批判はしにくいが、個人的には特筆すべき点のない凡庸な作品に感じた。

引用元:「宮崎駿の君たちはどう生きるかと同じ」kindlelのお客さま

この世の喜びよ


この世の喜びよ

第168回芥川賞

二人称で描かれる平凡な主婦のありきたりの日常。詩人でもある作者の紡ぐ言葉が入ってくるかどうかはまさにあなた次第。読むより朗読で聴くほうが世界に入りやすいかも。万人に受け入れられる小説ではないところがやはり芥川賞なのか。

年齢が高めの方なら理解してもらえるかと思うのだけど、日常を愛おしく思う瞬間がある。それを静かに声に出してみた感じの本。

『ライ麦畑でつかまえて』でも、突然読者に語りかけてくる手法をとっていたように思うけれど、今回も少し驚いた。ティーンの子供はオンラインゲームにもこういう風に「あなた」形式のがあるんだよって言ってた。

今のわたしが読むのにとても合っていた。

引用元:Audibleレビュー「とても大切な普通の日々」kiwi

おいしいごはんが食べられますように


おいしいごはんが食べられますように

第167回芥川賞

タイトルのイメージとは裏腹に、不穏な職場の人間関係が描かれた作品。あまり仕事はできないが社内で可愛がられる存在になっていく芦川と、彼女を快く思わない押尾。ふたりの女性の間で揺れる二谷。三者の人間模様が「食べること」を通して描かれる。もやもや、不気味、不穏、反感。あなたはどのような感想を持ちますか?

芦川さん対押尾さん、押尾さん派はどれくらいいるのだろう。大半が押尾さん、と期待したいところだけれど、、実際は違うのかも。投票してほしい。結果が知りたい。
ナレーションはすべて同じトーンなので、誰が話しているのか、ちゃんと聞いていないとわからなくなります。

引用元:audibleレビュー「こころあたたまらない話」KH

夜に星を放つ


夜に星を放つ (文春e-book)

第167回 直木賞

羽飼まりさんのナレーションがとても聞きやすい。1人で老若男女の声を使い分けてくれるので、すっと物語が入ってきます。夜空で繋がる淋しいリアルな短編集でしたが、こんな思いをしている子供たちは沢山いるのだろうと思いました。人生いくつになっても辛いことや悲しい別れがありますが、この本と出会って少しだけ救われる人や子供が居るといいなと思いました。

引用元:Audibleレビュー「ナレーションが良い!」aki

黒牢城


黒牢城 (角川書店単行本)

第166回直木賞

本能寺の変より4年前、荒木村重は織田信長に反旗を翻し有岡城に立てこもった。そんな折に城内では立て続けに不可解な事件が起こる。事件に翻弄される村重は、土牢の織田方軍師の囚人である黒田官兵衛に事件解決の謎解きを求めた。城内で起こる事件の真相は?村重、官兵衛の思惑は?

時代小説とミステリー小説を掛け合わせた傑作。ただ時代小説ならではの単語も多く、「聴く」には時代小説慣れが必要。

作者の力量が余すとこなく発揮された傑作。時代小説に推理小説の醍醐味を加え最後まで一気に聞けた。ナレーションも的確、迫力があり引き込まれた。この小説に出会えてよかった。

引用元:audibleレビュー「新感覚で、重厚な時代小説」じぇーぼーい

ブラックボックス


ブラックボックス

第166回芥川賞

自衛隊をやめメッセンジャーとして不正規で働くサクマ。28歳の彼はこれまでも職を転々としてきた。一つの職場で長く続かない理由には彼の制御不能な暴力衝動が大きく関わっている。暴力に支配される瞬間を覚えていない彼自身がブラックボックスなのであった。現代社会の閉塞感がサクマの暴力をかきたてるのか、彼がたどり着く答えとは。

淡々としたナレーションが、内容に相待って物語に引き込ませてくれました。声質も口調も聴きやすくて、最高に良かったです!過剰な演技が入るわけでもなく、強い主張のある声質では無いけれど耳馴染みの良いずっと聴いていられる素敵な声だと感じました。
オーディオブックだと、これくらいのテンションで演じてくれた方がこちら側が疲れなくて最適だと思います。

引用元:audibleレビュー「ナレーションが素晴らしいです!」ホイヤー

テスカトリポカ


テスカトリポカ (角川書店単行本)

第165回直木賞・第134回山本周五郎賞

メキシコの麻薬密売人バルミロは、潜伏していたインドネシアで日本人医師末永と出会う。末永は裏社会で生きる闇医者であり、臓器売買のブローカーであった。ビジネスの展開に日本に向かったバルミロと末永は家庭崩壊し天涯孤独の少年コシモと出会い、臓器売買組織に引き込む。グロテスクなまでの暴力と背後に蠢く古代アステカ王国の神の影。国境を跨いだ圧倒的なダークサイドのクライムノベル。

素晴らしくスリリングで、不気味なリアリティのある描写に凄く惹き込まれます。神話の話もとても好奇心を掻き立てられる。これ程の没入あるクライムノベルを読んだのは初めてだった。ナレーションも非常に作り込んでいるので、それが良かったのもあります。

引用元:audibleレビュー「不気味なリアリティに惹き込まれる」zuruyasumi

貝に続く場所にて


貝に続く場所にて

第165回芥川賞・第64回群像新人文学賞

311から9年後、異国ドイツの街に暮らす里美のもとに、あの時石巻の海で行方不明になったはずの野宮が現れる。風化していく過去の記憶。生き残った者の罪悪感。トリュフ犬が森の中で掘り起こすもは鎮魂と追憶の物語。装飾が多い「文学的」な文章は「聴く読書」には少し手強いかもしれません。

情景が思い描けず途中で断念しました。こんな文章が分かる人に私はなりたい。

引用元:audibleレビュー「難解な文章の連続」ビッキー

彼岸花が咲く島


【第165回芥川賞受賞作】彼岸花が咲く島 (文春e-book)

第165回芥川賞

ノロと呼ばれる女性が統治するある島に1人の少女が流れ着いた。島に住むヨナが見つけた少女は記憶を無くしていた。やがてウミと名付けられた少女は特異な島の風習を知ることになる。女だけの「オンナ語」話す女性が島を統治するのは過去の出来事に由来する。架空の島での風習は暴力が支配する現代社会へのアンチテーゼ。

家族、という単位もない。血縁の縛りもない。男女の契もかわさない。女だけが神事と政を行う。この島で排されているものがいかに人を争いに駆り立ててきたか。争いを生まない究極の世界。争いを繰り返す男性の指導者たちに、読んでほしい。素晴らしい物語だった。芥川賞作品は難解という印象だったがこの世界にはあっという間に引き込まれた。ナレーションも良かった。感情を込めすぎない終始統一されたトーンで物語を邪魔しなかった。「日本語」にも違和感がなかった。

引用元:audibleレビュー「究極の世界」匿名

心淋し川


心淋し川 (集英社文芸単行本)

第164回直木賞

江戸、千駄木の一角に流れる心淋しかわ(うらさびしがわ)と呼ばれる澱んだ川が流れる。そのどん詰まりにある貧乏長屋に暮らす人々を描いた6話の短編集。うら寂しく暮らす人々の人間模様なれどその姿は静かで優しい。時代小説ならでの人情噺。

時代小説はなんとなく敬遠していてほとんど読んだことがなかったのですが、直木賞受賞作ならとチャレンジしてみたら、とても面白くて夢中で聴き終えました。それぞれの登場人物の顔や姿が見えるようです。ナレーションもとても自然で聴きやすい。西條さんの作品これからも楽しみです。

引用元:audibleレビュー「時代物もいいですね」まもる

推し、燃ゆ


推し、燃ゆ

第164回芥川賞

山下あかりは高校生。しかし、学校には馴染めず家にも気持ちの置き場所がない。そんな彼女の生きづらさをなんとか支えているのは、アイドルの上野真幸。いわゆる「推し」だ。だが、彼女の生活の拠り所である推しがある日炎上して………「推しはわたしの背骨」あかりの生活が崩れていく。

内容の好き嫌いは別にして、ナレーターの玉城ティナさんの喋りと主人公のキャラクターがとてもマッチしていてAudibleの魅力に触れることのできる作品です。

ナレーターの玉城さんの読む声が素晴らしく、これからも他の本でも読んでほしい。
ストーリーは主人公の生きづらさが良く表現できていて共感できた部分が多々ありました。
救いのあるラストであれば尚良いと個人的には思った。
全体的にストーリーが分かりやすく、ナレーターも聴き易いのでおすすめしたい。

引用元:audibleレビュー「良し、燃ゆ」4s

少年と犬


【第163回 直木賞受賞作】少年と犬 (文春e-book)

第163回直木賞

2011年、震災で職を失った和正はある日やせ細った犬の「多聞」と出会う。和正は多聞を仕事に同行させるようになるが多聞がいると必ず仕事がうまくいく。多聞はなぜかいつも南の方角を見ている犬。多聞が出会う人々は決して幸福な生活を送ってはいないが、多聞に多くの救いを得る。別れと出会を繰り返しながら多聞は何かをる探すように南へと向かっていく。

「出来過ぎ」と思われるストーリーも犬と暮らしたことのある人にはまんざらあり得ない話でもないのでは?と思わされる、犬好きには必見(必聴)の小説。

小説は活字で読むものという意識があったのですが、試しに利用してみようと軽い気持ちでした。通勤時間が長く、いつも自己啓発モノでは息切れ感が出ていたのもあり、新鮮でした。
物語を読み聞かせてもらうのは大人になってからこそ利用すべきと思いました。
プロの方が読んでくれると、ここまで没入感と感情移入できるものかと見方が変わりました。
作品はいろんな方が素敵なレビューをされると思いますが、人と動物との出会いを中心に、様々な人間関係が描かれています。
とても良い作品でした。おすすめです。

引用元:audibleレビュー「朗読っていいですね」Amazonカスタマー

破局


破局

第163回芥川賞

大学4年生の陽介は、母校ラグビー部のコーチとして後輩を指導したり、勉学人励んだり、同級生の麻衣子という恋人がいたりという一見完璧な「大学生」をしている。ところが、新入生の灯(あかり)との出会い、麻衣子との別れを経て陽介の「破局」が進んでゆく。淡々と語られる陽介の心理の中に、深く潜む破局への道筋が描かれる。

この主人公に似た感じの知人がいたので、不可解だった彼の言動を解き明かすような気持ちで聞きました。淡々と説明される彼の思考回路に聞いていてたまらず吹き出してしまうほど奇妙で面白い瞬間があります。
人間として真面目に見えることであるとか、純粋に見えるとはどういう事なのか考えてしまいました。今時の若者にも見えるし非常に古風な男性にも見えるこの主人公は、カミュの異邦人を思わせる幼児性や不器用さを感じさせます

引用元:audibleレビュー「面白い」kindleユーザー

熱源


熱源 (文春文庫)

第162回直木賞

樺太(サハリン)で生まれたアイヌのヤヨマネクフは集団移住で北海道に暮らすが、天然痘やコレラで仲間を多く失い、再び樺太に戻る。一方、祖国のポーランドをロシアに支配されたブロニスワフは政治犯として樺太に流刑される。やがて2人は樺太で出会う。

奪われる文化、民族、故郷。彼らにとっての熱源とは。日本とロシアによりアイデンティティを翻弄される、共に実在する人物をモデルに描かれた歴史大作。

アイヌ民族について、自分がどれだけ無知であったかがわかった。
日本とロシアの狭間で、これほどまでに故郷を、運命を引き裂かれた人たちが…
そして、それでもそれに抗い、あるいは受け入れ、「生きた」人たちがいたとは…ヤヨマネクフ(山辺安之助)の『あいぬ物語』も読んでみたいと思った。「序章」と「終章」が繋がっている構成だが、長編なもので、序章の内容を忘れてしまい、終章が始まってからしばらくピンとこなかった。
序章には、その後の話を示唆する内容もあるので、じっくり聴いておくことをお勧めします。

ナレーターの語りは、味があって好感がもてた。

引用元:audibleレビュー「日本とロシアに引き裂かれた人々」Amazonカスタマー

むらさきのスカートの女


むらさきのスカートの女 (朝日文庫)

第161回芥川賞

“わたし”は近所に住む「むらさきのスカートの女」が気になっている。「むらさきのスカートの女」は近所では多くの人に知られている。“わたし”は彼女と友達になりたかった。彼女の行動を観察する“わたし”は友達になる足掛かりとして彼女を自分の職場で働かせることに成功する。

“わたし”の一人称で語られる「むささきのスカートの女」とは?“わたし”とは?ミステリアスな読後感が残ります。

純文学でした。素朴ではい。大衆的な、だけれども、たしかに、くっきりと心に残る何か。

引用元:audibleレビュー「面白い」Amazonカスタマー

宝島


宝島(上) (講談社文庫)

第160回直木賞・第9回山田風太郎賞・第6回沖縄書店大賞

1952年から1972年の戦後から返還までの沖縄の史記とも呼べる作品。沖縄のコザに暮らす若者、オン、レイ、グスク、ヤマコは米軍基地から物資を盗みだし、住民に分け与えていた。彼らは「戦果アギヤー」と呼ばれ地域住民には必要とされる存在。ある日嘉手納基地に忍び込んだ彼らは運悪く米軍に見つかってしまい、逃げる途中でオンちゃんが逸れ行方不明になってしまう。『予定にない戦果』とは?オンちゃんの消息は?

戦後の沖縄で暮らすこと。現在の沖縄に想うこと。あなたは何を感じますか?

沖縄の言葉で語られるナレーション、時に意味がわからないまでも雰囲気で伝わります。戦後の沖縄が歩んだ道が本当にあった話でそれをつなげて描いてあり、現在の沖縄の基地問題がもっと深いところにあることがよくわかります。心から平和を願って沖縄から基地がなくなることを願います。

引用元:audibleレビュー「ウチナーグチ版なかなか素敵です」とわ

コンビニ人間


コンビニ人間 (文春文庫)

第155回芥川賞

古倉恵子は36歳の未婚女性。大学在学中から働き始めたコンビニ勤務は18年を迎える。恵子が就職せずにアルバイト生活を続ける理由は?新規のアルバイトとして入ってきた白羽に仕事を教える恵子。だが、白羽はコンビニで働き続ける恵子を批判して…….

大方の読者は恵子も白羽も一般社会からは少し外れた存在と感じるでしょう。しかしそれは彼らの中の「普通」なのです。

ナレーターの大久保佳代子氏のたどたどしさに初めは戸惑いますが、聴き進めるうちに物語に入り込んで気にならなくなりました。(筆者だけかな)

ただ、コンビニの日常と少しの個人の生活を描写しているだけなのにこんなに引き込まれるものなのでしょうか。村田沙耶香さんはコンビニが本当に好きなのでしょう。一つ一つの描写に嘘やフィクションが感じられず、コンビニってこういうすごく意味のあるところなのだと発見しました。
奇妙な同棲生活を超えて自分の本質を見つけ出した古倉さんが迎える最後に拍手を送りたいと思います。
久しぶりに気持ちが晴れるお話を聞きました。
ナレーターの大久保さんもぴったりの話し方で素晴らしい相乗効果でした。

引用元:audibleレビュー「すごくk引き込まれました」Amazonカスタマー


流 (講談社文庫)

第153回直木賞

1975年の台湾は国民党と共和党の中国内戦の戒厳令下。そんな時代でも台北に暮らす葉秋生(イエチョウシェン)は17歳の青春を生きる。蒋介石が殺された翌月、秋生の祖父が何者かに殺された。秋生は祖父殺しの犯人探しを決意する。

日本の統治から解放さた台湾と中国の歴史。民族の文化や暮らし。家族観。台湾、日本、中国本土を舞台に壮大な青春群像劇を内包した台湾史でもある。

台湾に行きたくなると勧められたので読んでみた。これまで何度か行ったが歴史や中国、日本との関係に思うところには敢えて触れずにグルメ観光していた。
じいちゃんの事件をきっかけに、戦争バイオレンスな事件満載な祖父の時代と、主人公達がリアルに生きている1970 ~80年代の昭和ノリのバイオレンス&ロマンチック青春描写が重層して繋がって、台湾てこんな国なのかぁ。豆花が食べたくなった。
ミステリーな要素もあって一気読み応えありました。

引用元:Amazonレビュー「台湾に行きたくなる」moviti _nori

スクラップアンドビルド


スクラップ・アンド・ビルド (文春文庫)

第153回芥川賞

健斗は5年勤めた会社を辞め無職。「早う死にたか」が口癖の祖父と母親との3人暮らし。健斗は再就職活動、恋愛、筋トレに精を出すも、ある計画の元祖父の全面的な介護を請け負う。健斗の独白で淡々と進む物語。読み進むうちにタイトルの意味がわかってきます。

起承転結がある物語ではないのに引き込まれた。祖父と孫の日常や家庭が抱える問題をうまく表現していて、描かれている風景が共感しやすく想像しやすい。

引用元:audibleレビュー「描かれている情景がすっと想像できる」かよぽん!

火花


火花 (文春文庫)

第153回芥川賞

売れない芸人徳永は、熱海の花火大会で相方の山下とスパークスのコンビ名で漫才を披露していた。徳永は同じステージに出演していた先輩芸人神谷と、花火大会後に居酒屋で交流する。その席で神谷に弟子入りを志願する徳永。東京で活動する徳永と、大阪から東京へやってきた神谷は次第にお互いに心を開いて行き…….夢を追う若者の群像劇。

完全に振り切った純粋な人間(神谷さん)と、それを師と仰ぐ漫才師の主人公(徳永さん)の物語。常識と自由との間で悩み、考える。「芸人」という存在を通して自分の人生について考えさせられた。名台詞がたくさんあった。 ※AmazonのAudibleを初めて利用。堤真一さんの朗読も素晴らしかった。

引用元:audibleレビュー「常識と自由な間」kenzy124

サラバ!


サラバ! (上)

第152回直木賞

圷歩(あくつあゆむ)は父の赴任先であるイランで生まれた。イラン革命の影響により、父母と問題児であり破天荒な姉と共に帰国し、大阪で暮らし始める。周囲とうまく関係が築ける歩と、自分を上手に表現できない姉。そんな折父、の新たな赴任先となったエジプトで新たな生活が始まった。

上・中・下合わせて20時間を超える大作です。

この世にオーディオブックがあってよかったと思わせる作品。実写化不可能な壮大な松坂桃李さん主演の映画をずっと見せてもらっているような気分で、上中下あっという間に聴き終えてしまった。声がとても聞きやすくて、あっという間に物語の世界に引き込まれる。とんでもない秘密を持った友達が、その過去をポツリポツリと明かしてくれて、「マジで?」と驚いているような、そう言う体験だった。聞きながら何度も「マジで?」と突っ込んでしまった。長編に及び腰の方も騙されたと思って聞いてほしい。

引用元:audibleレビュー「オーディオブック史上最高の作品では?」さくら

上記のレビューでも賞賛されていますが、松坂桃李さんのナレーションが大変素晴らしいです。声優さんにありがちなオーバーな表現は一切なく、抑え目のナレーションながらも感情が深く刺さってくるのは俳優さんならではの技術なのでしょうか。

オススメです!

破門


破門 「疫病神」シリーズ (角川文庫)

第151回直木賞

関西二蝶会に所属するヤクザの桑原は41歳。ヤクザ社会と建設業界の間を取り持つ建設コンサルタントの二宮は39歳。彼らに映画制作がらみの仕事が舞い込むが、ある日その出資金を持ち逃げされてしまう。桑原と二宮は犯人の跡を追ってマカオ、香港、関西を奔走する。

筋立ては裏社会ハードボイルドまっしぐらですが、内容は桑原と二宮の関西弁でのやりとりを中心に軽妙、爽快なエンターテイメント小説。著者シリーズの第5弾。

ナレーターさん最高。内容も好き。ヤクザの日記といえば日記だけど、淡々とした描写と、前後に添えられる、話の筋には関係のない『日常の動作」が実にいい味。
大阪に行ったら桑原さんやニノミヤに会えそう。芸大の彫刻科出身の作家さん。芸術とヤクザな世界と、文学と。世俗と極道と文化と。わたしは京都出身で、芸大卒のエリートも、芸大卒の「何者にもなれなかった人」の知り合いもどちらもいるので、あの大阪の独特と雰囲気とニオイの中でそれらが混じり合う感じがよくわかる。
ナレーターさんのネイティブすぎる朗読と、完璧な演じ分け、かつ淡々とした口調も相まって、とても味わい深く楽しみました。また桑原、ニノミヤたちに会いたい!

引用元:audibleレビュー「最高」Amazonカスタマー

恋歌


恋歌 (講談社文庫)

第150回直木賞

幕末の江戸。中島歌子は名のある商家の娘。ある日であった水戸の剣士と恋に落ち水戸へと嫁いでいく。だが、剣士は尊王攘夷をすすめる天狗党の一員。内乱によって天狗党が弾圧されると妻の歌子は義妹てつとともに投獄されてしまう。

樋口一葉の師であった幕末から明治にかけての歌人歌子を描いた小説。

中村夏緒さんのナレーションが言葉に尽くせぬほど素晴らしい。途中何度も目頭が熱くなった。この物語の尊さをここまで見事に伝えてくれた中村さんに心から感謝したい。そして、朝井まかてにハズレなしと重ねて伝えたい。他の著作もぜひオーディオ化して欲しい。

引用元:audibleレビュー「声優の芸、極まれり」mknb7

誤読があまりに多く、興醒めだった。特に、作品の中でキーパーソンである男女の深い愛を表すため何度も出てくる歌、
瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の 割れても末に逢はんとぞ思ふを、あわんぞとおもうと、毎回声高らかに詠まれるのが、聴いているこちらが恥ずかしくなった。
それ以外にも誤読多々あるが、作品を朗読作品とする際に、きちんとチェックする人が一人もいないのだと確信した。

引用元:audibleレビュー「朗読者の誤読がひどい」mid3033

何者

※Audibleの配信は2022年12月9日からです。


何者(新潮文庫)

第149回直木賞

拓人は社会学部5年生、光太郎とルームシェアをしている。瑞月は光太郎の元恋人。アメリカへの留学経験がある。瑞月の留学仲間の理香は拓人の上階に住んでいる。恋人の隆良と同棲中。就職を控えた5人は集まって就職活動への情報交換をするようになる。しかし、内定者が出るに従い、彼らの関係に変化が見え始め……..

自分の心の内側にある自己顕示欲や承認欲求がSNSによって初偏しやすくなった現代をうまく描いていて面白かった。誰もが一度は思ったことのあるようなネガティブな感情が綴られていてドキッとするし、自分の行動や発言には気をつけようと思った。

引用元:Amazonレビュー「現代を描写していておもしろい」Naaahoookooo

鍵のない夢を見る


鍵のない夢を見る (文春文庫)

第147回直木賞

小さな田舎町に暮らすかつての同級生。ミチルは彼女の母のよくない噂を思い出し…..。笙子は周りに結婚をせっつかれゲンナリの毎日。そんな折に彼女の周辺ではボヤが続き….。美衣は出会い系サイトで知り合った彼と海に来ているのだが……。閉塞された生活の中でもがき、夢を叶える鍵を求める女性5人を描いた短編集。

女のどろっとしていやーなところを日常生活に落とし込めて表現している。
女だけではないかな?男にも共通して言えることかな?
まぁ、モヤッとした終わり方です。東野圭吾とか湊かなえが好きな方にはおすすめ!

引用元:audibleレビュー「女のどろっとしたところを表現している」りゅう

蜩ノ記


蜩ノ記 (祥伝社文庫)

第146回直木賞

戸田秋谷は前藩主の側室との不義密通の罪で切腹を命じられる。その一方、学があり家譜編纂に取り組んでいた秋谷には編纂を終わらせるために切腹まで10年の時間が与えられていた。檀野庄三郎は秋谷の編纂の手伝いと監視の命を受け秋谷の幽閉先へ出向いた。生活を共にし秋谷の清廉さに触れるにつれ正三郎は秋谷の無実を確信していくが……命を区切られた武士の覚悟とは?

武士とはこんなにまっすぐな心で生きていたのかと 自分の煩悩だらけの生活に 針を刺されたような想いがしました 最後まで何とか命だけはと願っておりしたが。。残された人達にこの様な想いをしてもらえる様な 生き方。素晴らしいです。 感動しましました。

引用元:audibleレビュー「素晴らしい」グラードン

道化師の蝶


道化師の蝶

第146回芥川賞

無活用ラテン語で書かれた小説『猫の下で読むに限る』で道化師と名指された実業家のエイブラムス氏。その作者である友幸友幸は、エイブラムス氏の潤沢な資金と人員を投入した追跡をよそに転居を繰り返し、現地の言葉で書かれた原稿を残してゆく。幾重にも織り上げられた言語をめぐる物語。

どういう話かというあらすじを説明することは困難だし、またその意味もないでしょう。
奇人変人たちを語り部に、特殊な状況下で読む本の考案や、様々な実験小説などネタは十分に楽しめますが、主題はおそらく「読むという行為」そのものです。本書の読みにくさをネタにするなど人を食った態度も特徴です。

引用元:Amazonレビュー「無意味さの極地」変質狂的読書歴

下町ロケット


下町ロケット (小学館文庫)

第145回直木賞

佃航平はかつてロケットエンジンの研究員として働いていたが、今は家業の佃製作所の経営者である。中小企業の佃製作所に特許侵害で経営危機が訪れている中、巨大企業の帝国重工が近づいてくる。開発した特許を売れば経営危機を脱することができる。経営か夢か。航平の判断は。社員は。

ナレーションのリアリティさがあり、情景が頭に浮かびとても楽しく聴くことができました。
本を読むとはまた違ったおもしろさがあると思います。

引用元:audibleレビュー「ナレーションのリアリティ」リョータ

ほかならぬ人へ


ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)

第142回直木賞

宇津木明生はエリート家系の出身。周囲の反対を押し切ってなずなと結婚をしたが、ある日なずなに別に意中の男性がいることを聞かされる。人生におけるベストの相手とは?を考える恋愛小説。

2009年下半期の受賞作、渡辺淳一と林真理子が◎、宮部みゆきが△で宮部みゆきに賛成。

引用元:audibleレビュー星長春

悼む人


悼む人 上 (文春文庫)

第140回直木賞

死者を悼むために全国を旅する若者坂築静人。ある日静人と出会った雑誌記者の蒔野は彼の行動に疑念を抱き調査を始める。静人は旅の途中で夫を殺した倖世と出会い行動を共にする。末期癌におかされた静人の母巡子は、静人を案じながら帰りを待つ。静人以外の3者の視点から、善悪、愛憎、生死が描かれた物語。

Audibleは上下巻に分かれています。

悼む人の変人っぷりをストーリー中のキャラクターだけでなく、この話を読んでいる(聞いている)誰もが奇異に思いながらも「悼む」ということがどれだけ尊いことなのかを教えてくれたような気がします。小説で泣いたのは初めてでした。Audibleだからか!?続編が待ち遠しいです。

引用元:audibleレビュー「30代の男でも泣けた」八丁味噌太郎

乳と卵


乳と卵

第138回芥川賞

夏子は東京三ノ輪のアパートに暮らす。大阪でホステスとして働く姉の巻子が豊胸手術を受けるために上京してくる。巻子には一人娘の緑子がいるが初潮を前に母親とは言葉を交わさなくなった。コミュニケーション手段は緑子が書くノートだけ。そんな3人の三日間の共同生活の中で語られる、女性ならではの身体観や生きにくさ。男性にとってはとっつきにくいテーマかもしれませんが、女性への理解の一端を垣間見られるのかも。

本を買いましたが、極端に句読点が少なくて読みづらかったので、オーディブルで聴きました。ナレーターの女性のおかしみがにじみ出て、最後まで興味を引き続けて一気に聴いてしまいました。女の生々しさをさっぱりとした関西弁が緩和していて私は好きでした。緑子の最後の日記に涙が出ました。

引用元:audibleレビュー「とても聴きやすい」AM

吉原手引草


吉原手引草 (幻冬舎文庫)

第137回直木賞

吉原一と謳われた花魁葛城。花町街で絶頂を極めていたその時期に葛城が突然失踪する。一体何が起こったのか?1人の男が「例の騒ぎ」について葛城周りの者たちに話を聞き回る。18の視点から真相が暴かれる。

設定やストーリーが面白すぎて、どんどん引き込まれ、一気に読み終わりました。男性の朗読がとにかく素晴らしかった。やはりオーディオブックの良し悪しは、ナレーターで決まる部分が多いと感じさせられました。

引用元:audibleレビュー「一気に読み終わりました」WhiteRacer

対岸の彼女


対岸の彼女 (文春文庫)

第132回直木賞

田村小夜子は専業主婦。一人娘のあかりを育てるも人付き合いが苦手でママ友はおろか、家族との関係さえ良好ではない。そんな折に働く決心をした小夜子はベンチャー企業の女社長葵と出会う。葵の元で働き始め気持ちも前向きに変化し始めた小夜子だが、葵に関するある話を聞かされて………

女性を女性視点から徹底的に見つめる傑作。

面白く聞きました。女友達独特の感性に引かれどうなるのかのストーリー展開も巧み。
小林さやささんのナレーションに感心しきりです。

引用元:「女友達の交流」旧東海道

グランドフィナーレ


グランド・フィナーレ (講談社文庫)

第132回芥川賞

「わたし」沢見は妻子ある37歳。小児性愛が発覚し家族とは離れ1人に。そんな中、出会った2人の少女。なにが始まり、何が終わるのか。

著者の作品の多くは、傍目から見て問題を抱えているのが明らかなイタいやつが主役だ。内省するほどに、自己欺瞞に陥ってしまうというパターンが見られるが、本作品は幾分おとなし目だろうか。ロリコンが発覚し、妻や娘に愛想をつかされ、友人たちからも蔑まれている男の物語。出だしから波乱の予感だが、二部構成の後半から様相が変わってしまう。
故郷に戻った男が小学生の女子に芝居を教えるようになるのだ。破綻へむかってまっしぐらと思いきや、転調したかの如くで戸惑うばかり。キレイなまとめ方がかえって薄気味悪さを感じてしまう。

ミニシアター系の映画のワンシーンを切り取ったかのような描写が特徴的ではある。
本作品は、『ニッポニアニッポン』との接点があり、いわゆる神町サーガを形成しているんだろう。

引用元:Amazonレビュー「キレイなまとめ方がかえって薄気味悪さを感じてしまう」hit4papa

生きる


生きる (文春文庫 お 27-2)

第127回直木賞

藩主の死に伴い追腹(後追い切腹)が増えるのを止めようと、筆頭家老の半左衛門は又右衛門に追腹しないという誓紙をしたためさせる。ところがやはり追腹をする者は後を立たず、周囲の目は最も追腹しそうな又右衛門が生きながらえていることに蔑みの感情さえ表すようになり…….

「生きる」の他「安穏河原」「早梅記」を含む短編集。

勧善懲悪でもなく、痛快活劇といったものでもなく、その意味では現代に最も必要とされる姿勢に貫かれている。人間に普遍的に備わった業といったものを、人間愛という視点から浮き彫りにするかのような小説。ジャンルとしての「時代」とはなにか、それを考えさせる短編集でもある。

引用元:Amazonレビュー「時代小説の新たな可能性を示す」farimanokami

パークライフ


パーク・ライフ (文春文庫)

第127回芥川賞

いつもの日比谷公園のベンチ。ここから見る景色は大好きだ。ある春の日いつものようにベンチに腰掛けていると、突然女が話しかけてきた。彼女は以前日比谷線のなかで先輩社員と間違えて話しかけてしまった女性だった。日比谷公園を舞台に描かれる男と女の微妙な距離感。

初オーディブルです。原作を読んだのは十数年前。不思議な味わいのある小説、軽妙さが心地よかったとしか記憶していなかった。今回驚いたのは吉田修一さんの文章がビジュアルに訴えかけてくる表現の多いこと。目で読んでいては気づかなかった表現が、声を通してだとまざまざと目の前に表れた。実に不思議な体験でした。早川さんの声で理解させてもらいました。あらためてパークライフを目で読んでみたいと思いました。

引用元:audibleレビュー「ビジュアルに訴えかけてくることにきづいた」えんけん
\初回30日間は無料です。退会はいつでも可能/

コメント

タイトルとURLをコピーしました