犬の老化も人間同様に目が悪くなり、耳が悪くなり、足腰が衰えます。
足腰が衰えると、うんちが踏ん張りづらくなったり、階段がのぼりづらくなったりしますよね?
我が家の犬も足腰が衰え階段の上り下りで踏み外すことが増えました。
でもそれは「老化」「衰え」ではなく「前庭疾患」の前兆だったみたい……..
勉強不足の私は病院で初めて「前庭疾患」という病気を知りました。
老犬の前庭疾患は症状も様々で突然発症することが多いそうです。まれに前兆が見られることもあるそうで、我が家の犬の場合は確かに前兆がありました。
同じような症状の老犬がいる方で、それを「老化」と決め込んで、対処が遅れてしまったり、いざ症状が出て慌ててしまったりがないように参考になればと思い記事にしました。
ペットの衰えは「看取り」を考え始めなければいけないということ。
これは勉強不足の自分自身への反省でもあります。
前庭疾患とは?
前庭疾患とは・・・前庭と呼ばれる神経領域の疾患。老犬に発症することが多い。人間で言う「メニエール病」のような病気。
ざっくりとした説明ですが、詳しくは検索して専門の方の解説を調べていただいたほうがよいので、ここでは簡単にしておきます。
老犬になるとかかる病気で原因の特定はできません。和犬(特に柴犬)に多くみられるそうです。
主な症状は
- 斜頸・・・・・・首が傾いてしまいます。ん?て言ってる感じ。
- 眼振・・・・・・目が左右または回転するようにずっとピクピク動き続けます。
- 回転運動・・・・まっすぐに歩けずに一箇所をぐるぐる回転するように歩きます。
恥ずかしながら我が家の犬が患うまでは全く知りませんでした。
症状や後遺症など個体によって大きく違いがありますが、2〜3週間で治ることが多いようです。
前日は元気だったのに翌朝に発症しているといった、「突発性前庭疾患」がほとんど。
我が家も2020年10月、15歳で発症したのですが、幸いに病状も軽く、後遺症もなくこの度17歳を迎えることができました。
でも、我が家の犬は、今になるとあれが前兆だったかなと思えることもあったので、その時の様子をここに記しておこうと思います。
前兆〜発症〜寛解
2020年7月まだまだ元気
我が家の犬は15歳を迎えました。
年齢はもう立派なおばあちゃんですが、見た目にはまったくわかりません。
耳は遠くなったようで、家族が帰ってきて玄関を開けても迎えに出ることはなくなっていました。
ただ食欲もおとろえず、病気にもなったことがなく耳以外の老化を意識することなく日々を過ごしていました。
2020年9月前兆?
以前から足腰の衰えを感じることはありましたが、夏が終わり9月に入ったころ、段差で足を踏み外すことが増えました。
我が家は2階がリビングで、犬も人間も主な生活圏は2階です。散歩から帰ると2階に上がるのですが、登りくそうにする姿が増えました。
だいぶ足腰が弱ってきたよね。
カーペットで対策が必要だね。
とりあえず階段やフローリングに滑り止め対策をしました。
2020年10月発症
前庭疾患の一つに「眼振」があります。
目がピクピクと左右に触れたり
回転するように動き続けます。
常に目が回っている状態なので、真っ直ぐに歩けません。
今日散歩中にころんだわ。ヨロヨロしてるし。
なんだか急激に老化が進んできたよね。階段もずいぶん登りにくそうだよね。
こんな会話をしたのが10月14日。そして次の日。私が朝の散歩に連れて行った最中に歩きながら突然真横に倒れました。まるで氷の上で足を滑らせたかのように、歩きながら突然パタっと横倒しになったのです。
あれ?これはおかしいな?脚を痛めてる?
やっぱ病院に連れて行く?
そうねぇ。先々車椅子とかになってしまうのかなぁ。
それまで病気ひとつしたことがなかたこともあり、その段階でもまだ「老化」が原因であり、病気だとは考えていなかったのです。
ところがその日の夕方です。
寝床から起きてきた犬の立ち姿を見て愕然としました。
首も体も右側へ傾斜していました。
ああ、これは完全にどこかがおかしいな。脳の病気なんじゃなかろうか?
ここでようやく病院にかかる決心をしたのです。
その時他の家族もいなかったので、1人でいそぎ車で動物病院へ向かいました。
普段は注射でしか訪れることのないところなので、いつも入る時には抵抗するのですが、さすがにこの時は抵抗もなく素直に診察台へ。
診断は「突発性前庭疾患」でした。
以下は獣医さんの説明です。
年齢による突発性前庭疾患の場合は確立された治療はないそうです。
耳の疾患の場合もあるので耳の中を見てもらって、注射を2本打たれました。ステロイド注射とビタミン注射かな?曖昧ですみません。
その日はこれで様子を見てほしい、眼振は3日くらいでおさまると思う、ということで診察終了。
翌日、翌々日も病院へ。おなじく注射を2本。
言われた通りに3日目には眼振はおさまりました。3日目の診察で、「もうこのままおさまると思うので1週間後にもう一度様子を見せにきて」ということで通院も実質終了でした。
発症後の様子
病院へ行った日の朝の散歩ではまっすぐに歩けず、どんどん右へ寄って行きました。目が回っている時に左右どちらかへどんどん寄っていってしまうあの感じです。
発症した日に眼振は出ていましたが、幸い食欲はあったので、普段はあげないウエットフードをあげました。
眼振が出ていると、水や食べ物を受け付けなくなることが多いそうで、その場合は病院で栄養剤や点滴の処置をされるそうです。
3日ほどで眼振は収まり、体のふらつきもなくなり、その後ほぼ1週間で治りました。
前庭疾患かなと思ったら
老犬の場合は特に治療方法はないようですが、前庭疾患かなと思ったら、早いうちに病院で見てもらうに越したことはありません。
我が家と同じように「老化現象」だと思って病院に行くのが遅れるパターンは多いようです。
幸いにも我が家はごく軽症ですみましたが、ずっと症状がおさまらなかったり、これをきっかけに寝たきりになったり最悪は死んでしまったりということも……..
基本的に前庭疾患は突然発症することがほとんどのようです。しかし、我が家の犬の場合は発症前の様子を考えると、前兆だったと思えます。
犬が老いてきたら色々な情報を得ておかなければいけませんね。これは私自身の反省です。
また発症してしまったら、飼い主としては経過を見守るしかないわけですが、家庭でのケアはそれまでと違って注意を払わなければいけません。
特に危険の予測です。階段はもちろんですが、よろけてぶつかって怪我をする家具などに気をつけましょう。また、不安をできるだけ抑えてゆっくり寝て過ごせるような配慮も欠かせないですね。
眼振で目が回っているので、抱っこをするとパニックを起こすことがあるそうです。目が回っているのに視線が上がると怖いですよね。それよりも安心して横になれる環境を作ってあげることが大切ですね。
その後
2022年7月に我が家の犬は17歳を迎えました。
前庭疾患の後遺症はどこにも感じられずに元気に過ごしています。
とはいえ、17歳なので動きはそれなりですけれど。
これから大変なことが待っているのかもしれません。でもその時まで我が家で幸せに楽しく過ごしてもらえるよう、いざという時に慌てないよう情報を知っておくのって大切ですよね。
最後まで読みいただきありがとうございました。
なにか少しでもお役に立てる情報があれば幸いです。
幸せなドッグライフを。
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