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今の50代が就職をする頃までは、終身雇用が当たり前の時代でした。
ところが現在は転職がさほど珍しくない時代になりました。
転職するきっかけや理由はひとそれぞれです。
キャリアアップや、より高額な収入を求めて転職するサラリーマンもいれば、昨今のコロナ禍で事業が悪化し、転職を余儀なくされる経営者さんもいるでしょう。
50代は家庭環境をはじめ、色々と状況が変化する年代。
私も、家庭環境の変化、気持ちの変化もあり2年前に転職をしました。
私は就職=被雇用の経験がありません。30年間、食品スーパーとコンビニの経営をしてきました。サービス業は転職に有利なスキルが得られる業種ではありません。
そんな就職経験もない、スキルもない自営業者の私が転職をするまでの道のりです。決して転職して大成功!といったドリーム譚ではありません。へぇこいつは何の仕事が得られたんだろう?という体験談としてお読みいただければと思います。
50代の自営業者が転職するのは難しい?
50代で就職経験もない自営業者が転職するというのは、無謀に見える行為かもしれませんが、転職自体は難しいことではありません。
個人事業主としての起業
就職経験のない50代が転職するには、結局は「自分で起業」が1番リアリティがあります。
筆者の選択は個人事業主として軽貨物運送業の起業でした。
車と運転免許があれば開業できる仕事です。
でもノウハウもなくて案件が見つかるの?
それは配送の仕事を斡旋してくれる業者があるので難しくはないんだ
企業は配送したい商品を自社ではなく、業者に委託して配送料を払うことで自社負担やリスクを減らしたい。その配送業務を企業から委託を受けるのが運送業の仕事。
その仕事を個人事業主として委託請負をするのが軽貨物運送業=委託ドライバー業です。
委託案件を探すには
委託ドライバー業務を請け負うためには、委託案件を探す必要があります。独立支援などのサイトには委託ドライバーに仕事を斡旋してくれる業者が数社でています。
自営と一言で言ってもさまざまな職種があります。技術職で会社を起こしていたなら即戦力として企業への採用もあるでしょう。しかし、私のように食料品販売業やコンビニ経営などのサービス業だと何の技術もありません。
コンビニの前に生鮮食品を扱うスーパーを経営していたので、生鮮の知識がキャリアと言えなくはなかったのですが、私は全く違う職を探しました。
理由はただの興味です!
世の中には数えきれないほど仕事があるし、活かせるキャリアやスキルを持ち合わせていないなら、全く知らない世界を見てみたい。あと長く働けて20年くらいだし。
実際はそれほど選択肢がなかったのですが……..
コンビニの契約は10年もしくは15年がスタンダードです。10年目に入った頃に本部から再契約の打診がきたのですが妻と相談の結果、再契約しないことにしました。
子供たちも独立するし、夫婦2人になってもう10年コンビニ再契約?休みも自由にならないし10年後60過ぎての職探しは不安だよね?再再契約は体力的にできないだろうし…….
今やめて新しい仕事についたほうが10年後、さらにその先の老後のためにもいいのではないか?そう考えました。
就職活動
取りあえず、本とネットかな
まず取り掛かったのは、転職のガイド本の購入でした。「50代からの転職」「シニアの転職」などのタイトルの本を5、6冊。
しかし、本はどれを見ても私の参考にはなりませんでした。なぜならどの本にも「それまでのキャリアを活かそう」「培ったスキルを活かして起業しよう」のような内容ばかりだったからです。要はサラリーマンや技術職者の転職ガイドばかりでした。
んー、参考になるものが無いな……..
次はネットの求人情報をひたすらみて回りました。50代・未経験を条件にすると出てくるのは、介護・福祉・営業・警備・ドライバーなどです。正直なところ高収入は望めない職種ですよね。
この時点での選択肢は3つ!
- ハローワークに登録
- 転職エージェント・転職サイトに登録
- ひたすら自力で応募
1.ハローワークに登録
会社員や被雇用者の方ですと「ハローワーク」に登録を考えると思います。ですが、私は雇用保険がもらえるわけでもないのでハローワークは考えにありませんでした。
ハローワークでは「特定求職者」に認定されると職業訓練を受けながら「職業訓練受講交付金」が受け取れるという制度があります。支給を受けるにも、受講後の就職についてもさまざまな条件があります。興味のある方は調べてみるとよいでしょう。
厚生労働省 職業支援:https://www.mhlw.go.jp/hellotraining/support/
2.転職エージェントや転職サイトに登録
これは実行しませんでした。自分のキャリアは技術が必要なわけではなく、スキルもこれといってありません。登録したところで、想像以上の仕事は見つからないだろうという諦めが先にたってしまいました。
今思えば登録してみるという選択はアリだったのではと思います。いえ、後悔しているという意味ではありません。経験として自分のこれまでを客観的に判断してもらうのは、自分にとって有益だったかもしれないからです。
第三者からはどう思われるのか?自営業は上司などいないので、他人からの評価がありません。自分で評価するか、お客様の様子から判断するしかありません。転職エージェントに登録したら、自分のそれまではどのように判断されるのかは経験してみてもよかったのでは?と思っています。
3.ひたすら自力で応募
結局選んだのはこの方法でした。スキルとして誇れるものが無い自分のキャリアですが、唯一あるのがコミュニケーションスキルです。
自営のスーパーを20年。コンビニを10年。うまくいかなかったとはいえ、経営するにはアルバイト、パートが必要です。コミュニケーションは最低限の経営要素です。もちろんお客様との良質なコミュニケーションは必須です。
この経験を土台にしたコミュニケーションスキルがあれば何らかの仕事は得られるだろうと考えました!
最終的に選択したのは結局起業でした。
起業とはいってもスキルや経験がなければ頼りになるのは「フランチャイズビジネス」です。
フランチャイズでの起業を柱に仕事を探しました。
開業に向けて私が参考にしたサイトはこちら⬇️
アントレnet委託ドライバーとして働くまで
結局選択したのは「フランチャイズ」ではなく、個人事業主での軽貨物運送業の起業でした。
とはいえ、フランチャイズビジネスに近い仕組みではあります。
委託ドライバーになるために必要なのは車と運転免許のみです。
参入条件としてはかなり低いですよね。はっきりいえば誰でもできる。誰でもできる仕事はどうしても報酬が低くなってしまいます。もちろん心配でしたが、すぐに働けることは大きな魅力でした。
私は軽貨物の業務委託を斡旋してくれる会社の説明会に行きました。
説明を聞いて委託ドライバーをトライアルとして始めました。
とりあえず始めてみて合わなければやめてしまえばいい、それは「フリーランスの特権」でもあります。
3社行った中で手応えのあった1社へ連絡すると、すぐに面談、委託業務の紹介、契約とトントンと進みました。すぐさま車両を購入して仕事を始めるまでに1週間程度だったでしょうか。
同じドライバーでも社員ドライバーではなく委託ドライバー=個人事業主を選んだのは、委託された案件が自分に合わなかった時に、やめやすく、次を探しやすいと思ったからです。
雇用されるとなると自分に合わないと思った時も簡単にはやめられないですよね?
フリーランスは決して自由ではない
フリーランス=自由な働き方
などともてはやされることもありますが、それは技術を持ってしっかり稼げる土台を持つ人に当てはまる言葉。多くのフリーランスは不自由な働き方です。
先々の補償や休業の補償もなく、いつ仕事を失ってもおかしくない働き方です。
ならば、選択肢は少なくともその中で納得のいく仕事だけをすればいいのではないでしょうか?私が選んだ委託ドライバー業務もさまざなクライアントがいて、さまざまな案件があります。契約前に条件を検討できますが、始めてみたら話が違った。イメージと違った。などは大いにありうることです。
でも、自分に合わない仕事をがまんして続けるより、納得のいく案件が見つかるまでどんどん変えてしまえばいい。案件自体はたくさんあります。別の委託契約への乗り換えのしやすさも大きな利点だと考えます。
そして現在
転職して委託ドライバーとしてまもなく3年目をむかえます。
結論から言うと転職は気持ちの面では大成功でした。
- 圧倒的に自分の時間が増えた
- 自分の好きなことに向かう活力が出た
- 人生で初の週休二日
- 夫婦で別々の仕事についた新鮮な毎日
- 日々のプレッシャーの少なさ
休みがあってないようなコンビニ経営とは180度変わりました。10年間とれなかった連休も、人生初の年末のお休みもとても楽しい。
しいてデメリットをあげればコンビニ時代よりも収入が減ってしまったこと。
でも、いまは自分の好きにできる時間があるので、副業もしています。
全く畑違いの仕事を同時にするのもフリーランスの特権ではないでしょうか?
自営業だけどうまくいかなくて悩んでいる方へ。
今の事業を立て直す努力へ向かうことも大切です!
ですが思い切って動き出すことで別の未来が切り開かれることもあります。もったいないのは悩んでいる時間だと思います。自分が望むことは何か?パートナーや家族の同意も必要ですが、動いてみると何かが変わると思います。
私もこれからどうなるかは全く未知数です。
また苦境に立たされるかもしれません。
ただ、転職をした決断には何も後悔はありません。
まぁ、なんとかなるっしょ!
こんな気分でいられるのも日々充実した毎日が送れているからだと思っています。
フランチャイズビジネスは開業の強い味方
キャリアやスキルが乏しくても独立したり、開業・起業を考えたい時の選択肢にフランチャイズビジネスがあります。
私も職探し中に目についたのが、独立・起業を支援するサイトでした。
独立・起業支援といってもフランチャイズ募集が主です。
前職のコンビニ経営はフランチャイズビジネスの王道ですね。
経験者としてフランチャイズのメリット・デメリットを申し上げます。
フランチャイズのメリット
全く知らない業種でも開業することは難しくありません。
しかも、開業してすぐでも本部のブランド力による集客があるために、ある程度の売り上げは出やすいです。私もフランチャイズのコンビニと個人の食料品店のどちらも経営したので実感がありますが、経営した店はどちらも同規模でしたが集客はコンビニが倍ありました。
また、個人の場合は資金の調達、仕入れ先の開拓、集客努力など店舗営業に関わる全てをこなす必要があります。ところがフランチャイズは本部のバックアップが大きいので、日々の店舗運営だけに集中することができます。
フランチャイズのデメリット
フランチャイズのデメリットで1番大きいのはやはりロイヤリティの問題です。
ノウハウへの見返りではあるのですが、経営をする上で割に合わないロイヤリティがかかる場合もあります。
私の場合を申し上げますと、1番いい時の個人店の1日客数は500人。コンビニは1,000人でした。客単価は個人店の方が倍以上あったので月商はそれほど違いませんでしたが、やはりコンビニの売上のほうが多かったです。
しかし利益を考えると、コンビニは人件費が個人店時代の3、4倍ほど必要で、利益からロイヤリティを引かれると結局は個人店時代の方が儲かりました。
また、コンビニは契約年数が決まっています。契約満了前に解約をする場合は違約金が発生します。たとえ赤字であっても契約を満了しなければやめるのは高リスクの場合があります。
もちろん業種や本部によってロイヤリティや契約などはさまざまです。
ただ、独立して開業しようと思ったら「フランチャイズ」という選択はかなり現実的です
もしあなたがフランチャイズ経営をお考えならば、事前のリサーチは万全にしてください。
企業本部の説明だけでなく、集められる情報は集めたほうが良いです。
実際にそのフランチャイズ経営者に聞けるなら聞いてみた方がいい。聞かせとほしいと訪ねればおそらくほとんどの経営者は情報を教えてくれると思います。
まず手始めは情報の収集から
フランチャイズで独立開業50代からの野望もそれはそれでいい生き方ではないですか?
最後までご覧いただきましてありがとうございます。
どうかあなたが納得できる仕事を見つけられるようお祈りいたします。
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